未払費用・未収収益・前払費用・前受収益は、シンプルに言うとこんな話です。
当期分の費用・収益をどう整理する?
次の3つのポイントを押さえれば、【未払金・未収入金・前払金・前受金】との使い分けができるようになります。
- 取引の種類
- 契約期間
- 仕訳するタイミング
未払金・未収入金・前払金・前受金が全然わからない!という方は、先にこちらの記事をお読みください。
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【簿記3級】前払金・前受金・未払金・未収入金が苦手な人はこう覚える
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勘定を使い分ける3つのポイントを図解
<取引の種類と契約期間で分ける>
<仕訳するタイミングで分ける>
未払費用・未収収益・前払費用・前受収益はこう考える
紛らわしい【未払金・未収入金】と【未払費用・未収収益・前払費用・前受収益】を判別するカギは、期をまたぐ取引かどうかです。
期をまたぐ取引なら、当期分の費用・収益をどう整理するか? を考えなければならないので!
ここでいう期とは「当期」や「翌期」の期のことです。
ポイント
未払費用・未収収益・前払費用・前受収益は、期をまたぐ取引で当期分の費用・収益を整理するために使う
期中・期末、営業仕訳の意味が分からない方はこちらをお読みください。
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【簿記3級】仕訳よりも重要なのに無視しがちな3つの基本!
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なぜ決算整理仕訳が必要なのか?
決算整理仕訳が必要な理由は、損益計算書の役割にあります。
では、損益計算書の役割とはいったい何なのでしょうか?
<損益計算書の2つの役割>
- 1年間の儲け(当期純利益)を知る
- 税金(法人税)を計算する
当期純利益を知る
1年間の儲け(当期純利益)を計算するためにも、当期分の収益と費用を正しく計上する必要があります。
計上って何?
計上:取引の金額を帳簿に加えること
法人税を計算する
さらに、1年間の儲け(当期純利益)に対して法人税がかけられます。
もし2年分の家賃を先にもらっていた場合、何もしなければ来年分に対する税金も今年払うことになっちゃう (+_+)
そこで、『決算整理仕訳』の登場。
決算整理仕訳とは?
決算時に帳簿を整理するための仕訳 = 決算整理仕訳
帳簿をいじって当期分だけにしちゃおう! というお話です。 カラクリはこんな感じです。
カラクリ
費用・収益 → 資産・負債に置き換える
費用・収益を資産・負債に置き換える理由は、損益計算書では繰越できないからです。
次は、未払費用・未収収益・前払費用・前受収益を図解します。
未払費用・未収収益・前払費用・前受収益はこう覚える
決算時点で困るのは、まだ払ってない(もらってない)、もう払った(もらった)というお金の問題です。
ビルの一室を借りた(貸した)場合の家賃を例に、各勘定の決算整理仕訳を図解します。
問題文のココを見る!
前払い契約? それとも後払い契約?
再振替仕訳もワンセットで!
翌期首(翌年の期首)に再振替仕訳を行います。
再振替仕訳は、決算整理で行った仕訳と反対の仕訳をするだけです。
再振替仕訳は、「当期首に再振替仕訳を忘れていた」という設定で出題される可能性があります。
仕訳時に「帳簿ではどう動くのか?」を意識すると、決算整理後残高試算表に関する問題が得意になります。 がんばってください!
おわり