簿記で最初につまずくのが、この「借方(貸方)は左と右どっち?」問題。
借方貸方で悩んでいる方は下の図で覚えてね!
で、気になるのは、「貸借」という言葉があるのに、簿記ではなぜ逆なのか?ということ。
諸説あるっぽいですが、有力説を紹介します。
借方・貸方が逆なのはなんで?
結論を簡単に言うと、「縦書き」だったものを時代に合わせて「横書き」にしたから左右逆問題が生まれたそうです。
この「縦書き」帳簿を考案したのは、福沢諭吉です。
詳しく見ていきましょう!
福沢諭吉の翻訳が原因‥‥?
日本の簿記は、 アメリカの学校で使われていた簿記の教科書を、福沢諭吉が翻訳したことで始まります。
しかし、その翻訳には文化的な問題点があったのです。
文化の違い
- 西洋:横書きの文化
- 日本:縦書きの文化
苦悩の末、福沢諭吉はdebitを借方creditを貸方と翻訳し、原書では横書きだった帳簿を縦書きにアレンジしました。
縦書きの帳簿は借方・貸方が上下に並ぶ形式です。 一見不便そうに見えますが、当時の日本人に馴染みそうな形を選んだ結果だったんです。
福沢諭吉は簿記が日本人に浸透するように尽力したのであって、盛大なミスをしたわけではないようです。
その後の変化は未来に託したともいわれていますね。
時代の変化で帳簿が横書き形式になった
翻訳当時は明治時代、書物は縦書きが一般的でした。 しかし、時代の変化とともに横書きが定着してきたため、帳簿も横書きになったというわけです。 こうして現在の簿記の形になったのです。
ところで、簿記システムをつくった西洋では、どのように借方・貸方をとらえているのか気になりませんか?
実は西洋では、勘定を取引相手の視点でとらえているんです!
例えば、僕がAさんに1万円貸した場合、Aさんから見ると1万円「借りた」ことになります。 つまり、相手方にとっての借りか貸しか?なのです。 だから逆なんですね~。
- 相手方の借り=借方
- 相手方の貸し=貸方
なるほど!とはなるけれど、「でも、やっぱりわからん」というのが僕の感想です(笑)
とりあえず、迷ったらコレ思い出してくださいね。
参考
福沢諭吉の翻訳本は『帳合之法』です。 この本は「国立国会図書館デジタルコレクション」というウェブサイト上で無料で読むことができます。
縦書き帳簿は、上のリンク先のページの画面左上にあるコマ番号「16/70」にあります。
おわり