職場のこんなニオイに我慢していませんか?
- 同僚の足の臭い
- 上司の口臭
- 女性の香水・化粧品
- 男性の整髪料・コロン
- しばらくお風呂にはいってないような体臭
職場での耐え難いニオイといえばこの5つですが、中でも特に対処が難しいのが「口臭」と「体臭」です。困ったことに、空気清浄機も消臭剤もファブリーズも、ほとんど効果がありません…。では、どうやってこの耐え難いニオイ問題を解決したらいいのか?
結論から言えば、会社に対応を任せればOK。じゃあ、どうすればそんなことができるのか?
方法はただひとつ、このニオイ問題を『会社が取り組むべき課題にしてしまう』ことです。
なぜ「臭い」対策を会社にやってもらうのか?
臭い人には2パターンあります。自分が臭うことに自覚がある人と、自覚がない人です。自覚がある人には、解決につながるアイテムをさり気なく教えてあげればいいだけなので気が楽ですよね。例えば、足の臭いなら「グランズレメディ」を教えてあげたり、一緒に使ってみたり。
-
【足臭改善】やってみて効果のあった3つの方法・改!
続きを見る
問題は自覚がない人。個人間で何とかしようとすると何かしらのトラブルに発展しやすいからです。
「臭い」に気づいてもらうことは難しい
「ちょっと臭いんで…」といった安直な言い方はもちろん問題外。でも、相手を気遣いつつ「臭う」ことを優しく指摘した場合でも、やっぱり言われた人は傷つきます。
実は私も「臭い」と言われたことがあって、その時は結構ショックを受けました。その後の努力で臭わなくなりましたけど。・・・・逆に「足が臭い」ことを先輩に言ったこともありますが、ものすごい剣幕で怒られました…。
法的問題となるケースもある
次のような場合は法的問題に発展する可能性があります。
- 上司が部下に「臭う」ことを指摘 → パワハラ
- 男性が女性に「臭う」ことを指摘 → セクハラ
部下が上司に言えば、印象がかなり悪くなります。女性が男性に言う場合でも、一人じゃ言いにくいからといって仲間を複数人引き連れて言った結果、集団イジメと受け止められてしまったケースもあるようです。
最悪の場合、スメハラ(スメルハラスメント) VS パワハラ・セクハラという壮絶なバトルも考えられます…。
というわけで、いろんなリスクを考えると個人で解決すべき課題ではない、と言えます。
会社に取り組んでもらうためにすべきことは?
ただ単に「臭いと集中できないので何とかしてください」といっても、絶対に動いてくれません。こういうセンシティブな問題は会社も取り扱いたくないはずです…。
そこを敢えて会社の取り組みとして動いてもらうためには、会社が対応すべき理由と解決方法を提案しなければならないのです。で、提案するために必要になるのが資料。ホント面倒ですよね~
会社を動かす資料とは?
ただ事実を述べただけだと、説得力に欠けます。やらない手はない!と思わせる必要があるのです。では、どうすればいいのか?
経営課題にしてしまえばいいのです。
経営課題として提案するにあたり、必要な資料は2つあります。
ニオイ問題の個人間解決が難しいという事実
ニオイが原因で仕事のパフォーマンスが低下するという事実
重要なのは事実です。実数を盛り込めばより効果的。注意点は感想文にしないことです。ニオイが原因で営業が契約を取り損ねている可能性も盛り込むとよいでしょう。「体臭の異常は病的サインである可能性」という点にも言及すれば、社員の健康管理の一環という切り口からのアプローチもできます。
なお、異常な体臭原因には水虫、足蹠多汗症、糖尿病、肝臓病などの病気があげられます。
ニオイ問題を会社全体の課題として取り組んでもらうための提案書の内容を、次にまとめてみました。これをA4用紙1~2枚にまとめてください。
タバコ問題を会社の課題に変えた話
昔私が勤めていた会社で、社内喫煙がひどく呼吸するのさえツライ職場がありました。面接で喫煙環境について確認した際「分煙に取り組んでいるので問題ない」と言われたのですが、実際は「分煙しようという意気込み」だけでした。
入社初日に見たのは、ウニのようにタバコの吸い殻が刺さった灰皿がそこら中にあるおぞましい光景。ぞっとしましたね。今思えば、面接のときに見学させてもらった部署とは別の部屋、知る由もない。この中で仕事をしないといけないのか、と思うと気が滅入る…。実際、タバコの煙が原因で体調を崩し、休職する人が多数いたのです(特に派遣さん、数名いましたが見事に全滅)。
私も例にもれず喘息を発症・悪化したために退社することになったわけですが…しかし、黙っていたわけではありません。退社までに喫煙環境の改善に着手し、会社を動かすことに成功しています。
この時、会社役員に話を持って行ったわけですが、私の身分は入社数か月のヒラ社員。決してフランクに話のできる間柄ではありませんでした。
話の骨子は「仕事のパフォーマンス低下」「健康への影響が多大」「タバコの副流煙による休職率の増加」の3つ。その3つを根拠に「休職による損失は経営面でも問題だと思います。タバコ問題を解決すれば休職者もしっかり分煙しませんか?」と直談判したわけです。
理解のある方を選んで話を持って行った甲斐あって、すぐにまともな分煙化が始まりました。時すでに遅し…でしたけどね。
会社の課題にするための提案書
要望
ニオイによる仕事のパフォーマンス低下を防ぐために、会社全体の問題として取り組んでほしい。
提案
ニオイに関するエチケットを就業規則に明記し、会社として問題解決に取り組む
→成功すれば『健康経営』としてプレゼンできる
→ニオイ問題に取り組む会社のロールモデルとし知名度向上も期待できる
会社が対応すべき理由
1.ニオイ問題は個人間解決が難しい
個人が指摘することでパワハラやセクハラ・社内イジメといった法的問題に発展する恐れがあるため
※女性に対しては、よりセンシティブな課題となるため、女性産業医など専門の窓口を介して指導してもらう
2.ニオイが仕事のパフォーマンスを低下させている
体臭が原因で仕事に支障があったと答えた人が58.9%もいる
体臭が原因で「仕事に支障」58.9% |転職エージェントニュース
3.パフォーマンス向上が業績改善につながる可能性もある
営業マンの体臭・口臭が営業先に与える影響などを考慮すると全社的な取り組みにしたほうが良い。
※新R25の記事で、ホリエモンは「口臭い人には二度と会わない」と明言。今後、こういった風潮が根付く可能性がある。
解決策
就労規則に「ニオイに関するエチケット」を明記する
→規則を根拠とした指摘ができる
固定席をやめてフリーアドレスにする
→フリーアドレスにすることでニオイを客観的に判断できる
※フリーアドレス:個人用の机を用意しないこと
衛生委員会の設置
→専門の窓口を用意することで、社内イジメを阻止できる
→相談や対応もしやすくなる
タバコや香水の禁止も推進する
→すべてのニオイ問題を平等に扱うことで不平等を排除できる
ニオイ消しアイテムを福利厚生の一環として設置する
→社員の金銭的な負担が減り、消臭に対し前向きな挑戦ができる
一定期間テストを実施、その間データを収集・分析しレポートする
→ニオイを見える化することで経営課題として本気で取り組める
①パフォーマンスの改善につながっているか
②働きやすくなったと感じられるか
テスト結果が良ければ本格稼働し、良くなければ別の施策を試す
→失敗して終わりにしない
→トライ&エラーで最適解を探す
他社の取り組み
眼鏡の製造・販売を手がける「オンデーズ」(東京)は27年7月から、全国約120店の従業員の服装規定に「臭い」の項目を設け、人事評価に反映している。
健康経営とか他社の取り組み(人事評価)といった言葉がキーワードになっています。キーワードをそれとなく配置することで、相手に「経営課題である」という意識を植え付けるという作戦です。作り終えたら勇気を出して上司に提案してみてください。上司が「臭い人」ならワンランク上の人にアプローチしてみましょう!
次に紹介するのは、市販されているニオイチェッカーです。
市販のニオイチェッカー
ニオイを数値化できるアイテムが市販されています。
営業で外出する前の口臭チェックに。
知っておきたい、体臭事情
体臭原因の一つにアポクリン腺という外分泌腺が挙げられます。このアポクリン腺は誰でも持っているものですが、その数や大きさ活動量には個人差がある模様。コントロールできるものではありません。完全無臭化を求めてはダメ!
ニオイについてちゃんと向き合って相談できる窓口や専門家がほしいところですね。
まとめ
- 臭いからって直接本人に言うのはダメ、絶対!!
- ニオイ問題は会社が取り組むべき課題
- 会社の問題として対応してもらおう
- 完全無臭は求めない!